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Twitterまとめ投稿 2012/05/16
Straight_speech情報)東理夫さんのブルーグラス演奏とお話。 2012年7月15日 14時~ 岐阜県大垣市上石津町 昭和音楽村 http://t.co/2knQx57H05/15 07:14
2012-05-16 02:01
Twitterまとめ投稿 2012/05/12
Straight_speech東京新聞:小沢元代表控訴 一審尊重へ制度改正を:社説・コラム(TOKYO Web) http://t.co/IfYaMTzn05/11 11:32
Straight_speech余白:検察こそ問題だ=小沢叩きの危険な側面 | http://t.co/h3csHaPP05/11 07:54
2012-05-12 02:01
余白:検察こそ問題だ=小沢叩きの危険な側面
A 小沢裁判の指定弁護士がなんと「控訴」した。小沢氏はこれによって再び被告の立場として法廷活動にかかわる身となったが、あまりに強引な決定だ。検察当局が起訴できなかった案件が検察審査会の議決で裁判になったものの「無罪」となった。それを控訴とは、控訴権の乱用としか思えない。
B 小沢裁判が「政治謀略裁判」である明白な証左だ。指定弁護士は控訴に値する新しい証拠を提出できるのか。控訴の記者会見では「共謀が認められなかったのはおかしい。既存の証拠でも判決の誤りは十分に指摘できる」と言っている。別の裁判官に判断をし直してもらおうという発想だ。
C 日本の司法制度の欠陥を衝いた決定だといっていい。検察が立件できなかった案件が無罪になった、それだけのことだ。それを1人の人間をいつ果てるともしれない裁判に「被告人」として縛り付ける。党員資格を回復したとはいえ、これによって小沢氏が政治活動を妨げられることは否めない。自民党も公明党も共産党も小沢に対してふたこと目には「説明責任を」と叫び続けることだろう。
B あたかもそれが国民の声であるかのように思っている。小沢攻撃に忙しくて検察当局の恐るべき動きには触れようとしない。これは巨大メディアもそうだ。元東京地検特捜部の田代政弘検事がウソの捜査報告書作成し、これが検察審査会の審査に提出された問題こそ重大だ。
A 5月6日付の東京新聞は第2社会面のトップで、特捜部副部長が作成した別の報告書に佐久間達哉特捜部長(当時)が手を入れ、小沢氏の関与をうかがわせる部分に下線を引いていたことが分かった、と報じている。この文書も検察審査会に提出されているが、これでなお「議決に影響を与えるつもりもなかった」という言い訳が通じるとしたら、もはや何を言っても始まらないよ。
C 一審重視の流れが生まれつつあるというが、無罪判決の場合は人権問題としてもこれは尊重されるべきだ。まして小沢氏のようなケースは何万という選挙民の期待を背負っているだから、それをたった3人の指定弁護人の意思で無視していいのかという問題がある。
B いや、たった3人の指定弁護人の意思かな。この控訴に手をたたいて喜んでいる勢力はいろいろあるだろう。この3人を動かした力もあるに違いない。それほど重大な控訴決定だよ。小沢はもう70歳。政治家としての寿命は残り少ない。別に小沢シンパではないが、単純に公平感、正義感が通じない社会は怖いと思う。それだけだ。
A 同感だ。指定弁護人は政治的な影響は「全く考えなかった」と言っているが、とても信じられない。もしそうだとすれば、児戯に等しい決定としかいいようがない。この裁判自体が政治裁判であることを忘れている、驚くべき感覚だ。考えようによっては、こうしていったん無罪にしておいて「控訴」で小沢氏の政治活動を制約するのが反小沢勢力にとって一番効果的だという見方もあり得るような気がしてくる。
C この問題を扱うマスメディアもひどいね。重箱のスミを突くように小沢を追及して「政治とカネ」の問題は許せないと正義感ヅラをしながら、検察の犯罪的行為にはほとんど触れようとしない。これこそが恐るべき犯罪ではないのか。検察のサジ加減ひとつで犯罪がつくられていくとすれば、だれでも填められる。こんな恐ろしい社会はない。今小沢氏を「政治とカネ」の権化のように追及している人たちは、明日はわが身だと想像しろと言いたいね。
B 日本のテレビはもちろん新聞もほとんどまともな感覚を失ったように思う。登場する評論家、コメンテーターの品性は話にならない。唯一、東京新聞ががんばっているが、朝日新聞にはもう期待できないね。首相動静によると、朝毎読の政治担当編集委員ら3人が8日夜、野田首相と東京の高級料亭で会食しているが、こういう取材のあり方からどんな記事が生まれてくるのか、大いに疑問だ。政治取材のあり方も変わったものだと思う。東京新聞の10日付の社説は正しいし、その孤軍奮闘ぶりに拍手したいよ。
A 小沢氏は一審で「無罪」とされたゆえに今回の「控訴」は心理的に打撃だろうと想像する。しかし、小沢氏の消費増税反対、TPP反対、脱原発――民主党は「国民の生活を守る」というマニフェストの原点に立ち返るべきだという主張はまっとうなものだ。政財官にとってこれが不都合だからこそ小沢攻撃が始まったのだろう。小沢氏としてはこれを政治闘争として全面的に闘うしかない。日本という国が大きく割れていくような気がする。
C フランス大統領選挙は社会党のオランド氏がサルコジ大統領を破った。結局は僅差の勝負だったが、極右の国民戦線マリーヌ・ルペン氏が第1回投票で18%も獲得した。ユーロ危機、経済停滞、失業の増大など社会不安から右翼的潮流が勢いを得ている。日本国内を見ても、公正・公平な感覚が失われていけば、今よりさらに右傾化の危険は増すだろう。その意味でも、理不尽な小沢叩きは怖いとしか言いようがない。
*参考:村野瀬玲奈さんのブログ:フランス大統領選 : 社会党フランソワ・オランド候補、2012年1月22日の選挙戦開始演説全文訳
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-3377.html
孫崎 亨氏のTwitter https://twitter.com/#!/magosaki_ukeru
日隅一雄弁護士のブログ「小沢金権体質ラベリングは、民主主義の否定につながる~国会議員一人で何ができるのか?」
Twitterまとめ投稿 2012/05/05
Straight_speech日米首脳会談=野田はオバマに対抗できたか? | http://t.co/lhH1hrLC05/04 20:42
2012-05-05 02:01
日米首脳会談=野田はオバマに対抗できたか?
◎日米首脳会談=野田はオバマに対抗できたか?
A 日米首脳会談がそそくさと終わった。あの会談はいったい何だったのだろう。日米間の最大の課題である沖縄の基地問題やTPP(環太平洋連携協定)については突っ込んだ話し合いや決定は一切なかった。
B 官僚のお膳立てから一歩も出ない会談だったという印象が強い。野田首相の肉声を聞いたという印象もないし、オバマ大統領の発言にも新しいものはない。2009年の麻生首相いらいのホワイトハウスでの首脳会談と聞くと、「日米同盟の深化」とか言いながら首脳間は疎遠だったんだなあと思う。民主党政権としてなんと初めての訪米じゃないか。
C オバマは野田に特に親しみは見せなかったね。ミスター・プライムミニスターの域を出なかった。夕食会でもてなしたわけでもない。代わりにクリントン国務長官が夕食会を催したが、オバマはさっさとアフガンへ旅立ってしまった。
B それでもオバマはTPPに関連して自動車、保険、牛肉の分野で市場開放すべきとアメリカの業界の要望を野田に伝えている。自動車といえば日本が軽自動車の分野を持っているのがけしからんとアメリカの自動車業界は軽つぶしにかかっている。野田は「日米同盟は新たな高みに達した」と言っているが、パートナーとして遇されたとは思えないよ。
A 普天間基地問題には触れなかったが、オバマは「米国が再びアジア太平洋地域を主導する」と述べ、記者会見で日米同盟を「地域の平和と安保の礎」と強調した。中国の進出に対応したアメリカのアジア回帰に日本を巻き込んでいくということ。ここで日本側の意思というものが全く見られないのが特徴だ。
C アメリカは日本の政治を日本の官僚を使って巧みに動かし、自分たちの都合の良い政権ができたと判断したら、自分たちの要求を押し付け、鵜呑みにさせる。小泉、そして菅、野田がそれだ。今回の共同声明も一見すると大したことはないように装いながら、日本の将来を左右する重大なことが盛り込まれている。それは米軍と自衛隊の「動的防衛協力」という妙な言葉だ。「動的」というのは、アフガン、イラク戦争でも日本の自衛隊は給油など後方支援でとどまっていた。それを改めて、米軍と自衛隊が一緒になって最前線に立ち、戦うという意味ではないか。日本国憲法が禁じている「集団的自衛権」に反するのだが、どうにでも言い訳ができるように「動的」という表現にしたんだ。
C 日本は常にアメリカの国防戦略に沿って動いている。「アジア太平洋地域の平和と安定」という概念は1997年の新ガイドラインで明示されたが、その後ブッシュ大統領の時代に日米同盟は「不安定の弧」、つまり北アフリカから中東、東南アジア、北朝鮮に延びる地域のテロや紛争に備えると位置づけられた。まさに「世界の中の日米同盟」として日米軍事一体化を加速している。それがイラク、アフガンからの米軍撤退を経て、今回「アジア太平洋地域を再び主導する」と確認したというわけだ。
B アメリカは中国との「経済戦略対話」を控えて日米同盟を使って中国をうまく牽制した形だ。だが日本の戦略というものがない。民主党政権とはいっても自民党時代をただ引き継いでいるだけだ。「最低でも県外」といった鳩山政権は日本の安全保障政策を何とか変えようという姿勢を感じさせたが、それが結局命取りになってしまった。アメリカが日本のイコール・パートナーではあり得ないことははっきりしているが、ここまで露骨にやられると普天間問題は絶対譲れないという思いがこみ上げてくる。
C 一昔も前だが、今の民主党の政治は、1960年当初に社会党から離脱した西尾末広らが結成した民主社会党とそっくりだ。当時は社会党右派を標ぼうしながら、やることは自民党より保守的で、右翼的だった。いまの民主党も対米政策では自民党より従属的だ。これは民主党の実権を握っているのは松下政経塾の連中だからだ。やっていることは財界の利潤追求のためになることばかり。野田は財界の忠実な番頭、御用聞きで、国民の側などには立っていないことが今回の訪米でも明らかになった。ブッシュ大統領の前でプレスリーの真似をして踊った小泉ほど馬鹿ではないが、オバマ大統領の大好きなバスケットボールの用語を使って、ゴマをする姿は情けない。
A 普天間問題はアメリカ側が海兵隊のグアムなどへの移駐問題と切り離すとなったが、これは新国防戦略に基づく決定だ。実は沖縄駐留海兵隊の存在意義が軽くなってきているともいえるのに、野田政権は辺野古移設の日米合意から一歩も動こうとしない。
C 4月4日付のニューズウィーク日本版は「普天間と日本 海兵隊をめぐる勘違い」というカバーストーリーで「アメリカの国防専門家の間では、海兵隊を沖縄に置き続ける必要はないのかもしれない、という考えが広がりつつある」と伝えている。テクノロジーの進歩や戦闘部隊の訓練態勢などから沖縄駐留の軍事的意義に疑問の声が高まっているのだという。
A 議会による国防支出削減圧力で海兵隊は規模縮小を迫られているという財政圧力もある。コストを理由に議会が辺野古移設にノーを突きつける可能性が高いともいわれている。
C 第2次大戦後ついに海兵隊が沖縄を去る日が近づいているのかもしれない―とその特集は結んでいる。筆者はCBSニュースの元軍事問題担当記者。要するに情勢は変わりつつあるということ。それなのに日本政府、外務省、防衛省は10年一日の如く「丁寧に説明」して地元沖縄の「理解を得る」の一辺倒だ。この問題はどう見ても袋小路に入り込んでいるのだから、対米交渉やり直しのチャンスなのだが、野田政権からはそんな問題意識がまったく感じられない。
A 野田政権は昨年秋に武器輸出三原則を大幅に緩和した。この三原則は自民党の佐藤栄作政権時代に、共産圏、国連決議で禁止した国、国際紛争当事国への武器輸出は認めないと表明、70年代にはそれ以外の輸出も慎むという政府統一見解が出され、平和憲法の国是を自民党は一応、けじめをつけて守ってきた。80年代になって米国への武器技術供与を例外扱いし、政府開発援助によるインドネシアへの巡視船艇提供など、例外は増えてきたが、それを一挙に崩したのは民主党の野田政権だ。早速、キャメロン英首相が来日して、武器・防衛装備品の共同開発で合意した。貧すれば鈍するではないが、財界、特に防衛産業への配慮を重視した結果だ。松下政経塾の本領発揮だね。
B 野田政権だけじゃない、それを伝えるメディアも同じだ。NHKは4月初めの午後9時ニュースで元国務省日本部長メアにインタビューして「日本には名護に移設するか普天間固定かの選択しかない」と言わせていた。沖縄を侮辱してクビになった奴に意見を聞く方がどうかしているが、このNHKの感覚はひどい。かつて対日関係にかかわったジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授(元国防次官補)などの名護移設はもはや無理とする見解は伝えようとしない。沖縄以外の本土では他のメディアも似たようなものじゃないか。アメリカの議会では現行計画は実現不可能という見方が支配的になっているというのだが…。
A 東京新聞は4月4日の社説で「それでも県内移設とは」と題して、沖縄県知事が2回にわたって辺野古移設を「事実上不可能」といっているのに田中防衛相の「丁寧に作業していきたい」と県内移設に固執する態度を厳しく批判。嘉手納基地以南の5つの米軍施設・区域の切り離し返還にしても1996年に日米特別行動委員会(SACO)で日米両政府が合意済みの案件だとして今さら基地負担軽減策と喧伝することのウソをはっきり指摘している。権力を監視する本来の新聞ジャーナリズムの役割を果たしているといっていい。
C 東京新聞といえば昨年8月15日の社説「歴史は沖縄から変わる」は関西学院大学の豊下楢彦教授の論考を紹介する形で見事な論旨を展開していた。
A 戦後日本の「米国依存の体質」は昭和天皇に由来するという議論だね。そこでは「米国による琉球諸島の軍事占領の継続を望む」「米国による沖縄占領は共産主義の影響を懸念する日本国民の賛同も得られる」などといった1947年9月の有名な昭和天皇の沖縄メッセージに言及して、そのような天皇外交が安保の呪縛につながって日本外交から矜持も気概も奪ってしまったと断じている。普天間問題の淵源をたどれば昭和天皇に行き着くという豊下教授の大胆な仮説だ。
B 「国外・県外移設」を目指した鳩山元首相の取り組みは正しかった。それをマスメディアが徹底的にたたいたのには驚いた。鳩山は信念をもってアメリカと交渉するべきだったが、外務省も防衛省も協力しなかったね。鳩山は非協力なこれら担当相を切ってでもこの問題に取り組むべきだったのに、選りによって岡本行夫にアドバイスを求めたりして完全に破綻。岡本の言うことはメイと変わらないよ。
C 結局は沖縄の基地問題を解決できる政治家は今の日本にだれもいないということか。昭和天皇の沖縄メッセージはまだ生きていると言うべきだろう。1947年9月といえばもう新憲法下の象徴天皇だったはずだ。しかし豊下説は昭和天皇が日米安保条約締結に向けて影響力を行使していくさまを描いている。
B 主権在民とは何なのか。「3.11以後」の政治を改めて振り返ってみて、国民の意識から離れた政治の貧しさに果たして日本は本当に民主主義の国なのかどうか、根本的に疑ってしまう。消費税増税問題にしろ普天間問題、TPP問題、あるいは大飯原発の再開問題にしろ、野田政権はいったいだれに操られて政治をしているのか。オバマにまともに相手にされなかったからといって今更驚くこともないかもしれない。
参考:
天木直人氏のブログ「豊下楢彦という国際政治学者」
野田訪米BBC報道:http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-17890621
ワシントンポスト、オバマ・野田記者会見:http://www.washingtonpost.com/blogs/44/post/obama-japans-noda-hail-security-alliance-after-bilateral-meeting/2012/04/30/gIQAZSYSsT_blog.html
examiner:Japanese PM Noda to visit White House in late April
http://projects.washingtonpost.com/obama-speeches/speech/1000/
A 日米首脳会談がそそくさと終わった。あの会談はいったい何だったのだろう。日米間の最大の課題である沖縄の基地問題やTPP(環太平洋連携協定)については突っ込んだ話し合いや決定は一切なかった。
B 官僚のお膳立てから一歩も出ない会談だったという印象が強い。野田首相の肉声を聞いたという印象もないし、オバマ大統領の発言にも新しいものはない。2009年の麻生首相いらいのホワイトハウスでの首脳会談と聞くと、「日米同盟の深化」とか言いながら首脳間は疎遠だったんだなあと思う。民主党政権としてなんと初めての訪米じゃないか。
C オバマは野田に特に親しみは見せなかったね。ミスター・プライムミニスターの域を出なかった。夕食会でもてなしたわけでもない。代わりにクリントン国務長官が夕食会を催したが、オバマはさっさとアフガンへ旅立ってしまった。
B それでもオバマはTPPに関連して自動車、保険、牛肉の分野で市場開放すべきとアメリカの業界の要望を野田に伝えている。自動車といえば日本が軽自動車の分野を持っているのがけしからんとアメリカの自動車業界は軽つぶしにかかっている。野田は「日米同盟は新たな高みに達した」と言っているが、パートナーとして遇されたとは思えないよ。
A 普天間基地問題には触れなかったが、オバマは「米国が再びアジア太平洋地域を主導する」と述べ、記者会見で日米同盟を「地域の平和と安保の礎」と強調した。中国の進出に対応したアメリカのアジア回帰に日本を巻き込んでいくということ。ここで日本側の意思というものが全く見られないのが特徴だ。
C アメリカは日本の政治を日本の官僚を使って巧みに動かし、自分たちの都合の良い政権ができたと判断したら、自分たちの要求を押し付け、鵜呑みにさせる。小泉、そして菅、野田がそれだ。今回の共同声明も一見すると大したことはないように装いながら、日本の将来を左右する重大なことが盛り込まれている。それは米軍と自衛隊の「動的防衛協力」という妙な言葉だ。「動的」というのは、アフガン、イラク戦争でも日本の自衛隊は給油など後方支援でとどまっていた。それを改めて、米軍と自衛隊が一緒になって最前線に立ち、戦うという意味ではないか。日本国憲法が禁じている「集団的自衛権」に反するのだが、どうにでも言い訳ができるように「動的」という表現にしたんだ。
C 日本は常にアメリカの国防戦略に沿って動いている。「アジア太平洋地域の平和と安定」という概念は1997年の新ガイドラインで明示されたが、その後ブッシュ大統領の時代に日米同盟は「不安定の弧」、つまり北アフリカから中東、東南アジア、北朝鮮に延びる地域のテロや紛争に備えると位置づけられた。まさに「世界の中の日米同盟」として日米軍事一体化を加速している。それがイラク、アフガンからの米軍撤退を経て、今回「アジア太平洋地域を再び主導する」と確認したというわけだ。
B アメリカは中国との「経済戦略対話」を控えて日米同盟を使って中国をうまく牽制した形だ。だが日本の戦略というものがない。民主党政権とはいっても自民党時代をただ引き継いでいるだけだ。「最低でも県外」といった鳩山政権は日本の安全保障政策を何とか変えようという姿勢を感じさせたが、それが結局命取りになってしまった。アメリカが日本のイコール・パートナーではあり得ないことははっきりしているが、ここまで露骨にやられると普天間問題は絶対譲れないという思いがこみ上げてくる。
C 一昔も前だが、今の民主党の政治は、1960年当初に社会党から離脱した西尾末広らが結成した民主社会党とそっくりだ。当時は社会党右派を標ぼうしながら、やることは自民党より保守的で、右翼的だった。いまの民主党も対米政策では自民党より従属的だ。これは民主党の実権を握っているのは松下政経塾の連中だからだ。やっていることは財界の利潤追求のためになることばかり。野田は財界の忠実な番頭、御用聞きで、国民の側などには立っていないことが今回の訪米でも明らかになった。ブッシュ大統領の前でプレスリーの真似をして踊った小泉ほど馬鹿ではないが、オバマ大統領の大好きなバスケットボールの用語を使って、ゴマをする姿は情けない。
A 普天間問題はアメリカ側が海兵隊のグアムなどへの移駐問題と切り離すとなったが、これは新国防戦略に基づく決定だ。実は沖縄駐留海兵隊の存在意義が軽くなってきているともいえるのに、野田政権は辺野古移設の日米合意から一歩も動こうとしない。
C 4月4日付のニューズウィーク日本版は「普天間と日本 海兵隊をめぐる勘違い」というカバーストーリーで「アメリカの国防専門家の間では、海兵隊を沖縄に置き続ける必要はないのかもしれない、という考えが広がりつつある」と伝えている。テクノロジーの進歩や戦闘部隊の訓練態勢などから沖縄駐留の軍事的意義に疑問の声が高まっているのだという。
A 議会による国防支出削減圧力で海兵隊は規模縮小を迫られているという財政圧力もある。コストを理由に議会が辺野古移設にノーを突きつける可能性が高いともいわれている。
C 第2次大戦後ついに海兵隊が沖縄を去る日が近づいているのかもしれない―とその特集は結んでいる。筆者はCBSニュースの元軍事問題担当記者。要するに情勢は変わりつつあるということ。それなのに日本政府、外務省、防衛省は10年一日の如く「丁寧に説明」して地元沖縄の「理解を得る」の一辺倒だ。この問題はどう見ても袋小路に入り込んでいるのだから、対米交渉やり直しのチャンスなのだが、野田政権からはそんな問題意識がまったく感じられない。
A 野田政権は昨年秋に武器輸出三原則を大幅に緩和した。この三原則は自民党の佐藤栄作政権時代に、共産圏、国連決議で禁止した国、国際紛争当事国への武器輸出は認めないと表明、70年代にはそれ以外の輸出も慎むという政府統一見解が出され、平和憲法の国是を自民党は一応、けじめをつけて守ってきた。80年代になって米国への武器技術供与を例外扱いし、政府開発援助によるインドネシアへの巡視船艇提供など、例外は増えてきたが、それを一挙に崩したのは民主党の野田政権だ。早速、キャメロン英首相が来日して、武器・防衛装備品の共同開発で合意した。貧すれば鈍するではないが、財界、特に防衛産業への配慮を重視した結果だ。松下政経塾の本領発揮だね。
B 野田政権だけじゃない、それを伝えるメディアも同じだ。NHKは4月初めの午後9時ニュースで元国務省日本部長メアにインタビューして「日本には名護に移設するか普天間固定かの選択しかない」と言わせていた。沖縄を侮辱してクビになった奴に意見を聞く方がどうかしているが、このNHKの感覚はひどい。かつて対日関係にかかわったジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授(元国防次官補)などの名護移設はもはや無理とする見解は伝えようとしない。沖縄以外の本土では他のメディアも似たようなものじゃないか。アメリカの議会では現行計画は実現不可能という見方が支配的になっているというのだが…。
A 東京新聞は4月4日の社説で「それでも県内移設とは」と題して、沖縄県知事が2回にわたって辺野古移設を「事実上不可能」といっているのに田中防衛相の「丁寧に作業していきたい」と県内移設に固執する態度を厳しく批判。嘉手納基地以南の5つの米軍施設・区域の切り離し返還にしても1996年に日米特別行動委員会(SACO)で日米両政府が合意済みの案件だとして今さら基地負担軽減策と喧伝することのウソをはっきり指摘している。権力を監視する本来の新聞ジャーナリズムの役割を果たしているといっていい。
C 東京新聞といえば昨年8月15日の社説「歴史は沖縄から変わる」は関西学院大学の豊下楢彦教授の論考を紹介する形で見事な論旨を展開していた。
A 戦後日本の「米国依存の体質」は昭和天皇に由来するという議論だね。そこでは「米国による琉球諸島の軍事占領の継続を望む」「米国による沖縄占領は共産主義の影響を懸念する日本国民の賛同も得られる」などといった1947年9月の有名な昭和天皇の沖縄メッセージに言及して、そのような天皇外交が安保の呪縛につながって日本外交から矜持も気概も奪ってしまったと断じている。普天間問題の淵源をたどれば昭和天皇に行き着くという豊下教授の大胆な仮説だ。
B 「国外・県外移設」を目指した鳩山元首相の取り組みは正しかった。それをマスメディアが徹底的にたたいたのには驚いた。鳩山は信念をもってアメリカと交渉するべきだったが、外務省も防衛省も協力しなかったね。鳩山は非協力なこれら担当相を切ってでもこの問題に取り組むべきだったのに、選りによって岡本行夫にアドバイスを求めたりして完全に破綻。岡本の言うことはメイと変わらないよ。
C 結局は沖縄の基地問題を解決できる政治家は今の日本にだれもいないということか。昭和天皇の沖縄メッセージはまだ生きていると言うべきだろう。1947年9月といえばもう新憲法下の象徴天皇だったはずだ。しかし豊下説は昭和天皇が日米安保条約締結に向けて影響力を行使していくさまを描いている。
B 主権在民とは何なのか。「3.11以後」の政治を改めて振り返ってみて、国民の意識から離れた政治の貧しさに果たして日本は本当に民主主義の国なのかどうか、根本的に疑ってしまう。消費税増税問題にしろ普天間問題、TPP問題、あるいは大飯原発の再開問題にしろ、野田政権はいったいだれに操られて政治をしているのか。オバマにまともに相手にされなかったからといって今更驚くこともないかもしれない。
参考:
天木直人氏のブログ「豊下楢彦という国際政治学者」
野田訪米BBC報道:http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-17890621
ワシントンポスト、オバマ・野田記者会見:http://www.washingtonpost.com/blogs/44/post/obama-japans-noda-hail-security-alliance-after-bilateral-meeting/2012/04/30/gIQAZSYSsT_blog.html
examiner:Japanese PM Noda to visit White House in late April
http://projects.washingtonpost.com/obama-speeches/speech/1000/
Twitterまとめ投稿 2012/05/04
Straight_speechオバマ・野田記者会見 WP http://t.co/SKIYaXWr05/03 09:54
2012-05-04 02:01
Twitterまとめ投稿 2012/05/03
Straight_speech小沢判決の解説・評価(補足) http://t.co/wN3mPY4905/02 10:35
Straight_speech日隅一雄弁護士のブログご紹介 | http://t.co/On0Fo7H305/02 09:30
2012-05-03 02:01
【余白】◎宴の後で=小沢一郎元代表無罪の空虚感
【余白】
A ついに「小沢無罪」の判決が下りた。関係者は長いこと待ちに待った一瞬だったが、当然の判決だったとはいえ、この空虚感は何だろうと自問自答しているところだ。
B 判決文を一読して、なんて下らないことに歳月を費やしていたんだろうと思う。政治資金収支報告書の記載に誤りがあったというだけで、それが「共謀共同正犯」かどうかというのだから、まさに聞いてあきれる。記載を訂正すればいいだけのこと。こんなことで1人の政治家から3年にもわたって活動の自由を奪った日本という国の狂気をどう考えればいいのだろう。
C いや狂気ではない。「小沢裁判」は政治謀略事件だったという明確な認識が必要だ。日本は実に怖い国になっているという印象が強烈だ。この不条理に耐えた小沢一郎という政治家に脱帽する。問題は検察とマスメディアを動員した巨大な政治力がどこから発信されたのかということだ。最高検にはあくまで小沢逮捕を主張した検事もいたというからただごとではない。
B 判決文は田代政弘検事の捜査報告書の捏造を指摘しているが、「仮に事実に反する捜査報告書のために検察審査員の判断に誤りが生じ、起訴議決に至ったとしても、そのことから検察審査会の起訴議決が無効とするのは法的根拠に欠ける」という。じゃあ、こんなでっち上げの捜査報告書なる内部資料をわざわざ検察審査員の素人集団に示した検察の犯罪性はどうなるのか。
A 検察はこれまでの調べで虚偽の捜査報告書を示して検察審査会を誘導しようという意図はなかったと結論付けている。こんなことがまかり通っていいのか。たまたま石川知裕衆院議員の録音記録があったから捜査報告書のでっち上げが判明したが、これがなかったら検察の思うつぼにはまっていた可能性が強い。検察のこの巨大犯罪こそこれから明らかにしていかなければならない。
C 今回、検察の捜査現場では「特捜と小沢との全面戦争だ」というセルフが飛んでいたというが、これは何だろう。小沢一郎はなぜ検察に狙われたのか。なぜマスメディアから攻撃の標的にされたのか。小沢“失脚”以後の菅直人政権、野田佳彦政権を見ればそのことは明らかだ。菅も野田も普天間基地問題にしろTPPにしろ消費増税にしろ原発問題にしろアメリカや財界、官僚の言うままに動いている。彼らと正反対の立場にいたのが小沢だ。
A 小沢は無罪にはなって検察側は敗北したとみられているが、三年半も政治活動を事実上停止させたことで、検察側の狙いは実現したのではないか。これまでの日本の政治を振り返ってみると、田中角栄元首相、社会党との合同調査団の自民党代表として訪朝した金丸信元自民党副総裁、ポスト橋本の有力首相候補だった加藤紘一など、アメリカとは距離を保って日本の独自路線を歩もうとした政治家は、ものの見事に検察特捜部が動いて起訴され、政治生命を絶たれている。地検特捜部は極端な言い方をするとCIAの手先ではないかと思えてくる。つまりアメリカにとって不利益な政策を進めようとする政治家を追い落とす使命を帯びているのではないか。今回の小沢一郎の問題も、そういう視点に立つと、納得がいく。小沢はアメリカにとっては首相にしたくなかったのだ。
B メディアは小沢攻撃に回った。「政治とカネ」という言葉を振りまいて小沢を攻撃するニュースキャスターやコメンテーターの表情はゆがんで見えたね。正義感の感じられない彼らの言動が日本をどれほど陰鬱にしていたかと思うと、メディアの罪は大きいよ。無罪判決を聞いて今度は「控訴」と騒いでいる。「控訴」の可能性はあると思うかね。
A 「控訴」はないだろう。これは推測だが、この地裁判決は最高裁ともおそらく綿密な協議の上の「無罪」だ。「有罪」とするにはどうしても最後のツメを欠いていた。判決文を読んでわかることはほとんど指定弁護側の主張を聞いているということ。だがこれを「有罪」とするにはどうしても無理があったということ、いわば司法の信頼にかかわる問題になっていたということだ思う。指定弁護側も了解済みではないか。
B はっきり言って罪に問うには「罪状」があまりに軽いよね。こんなチンケなことで政治家を悪の権化であるかのごとく描き出すのは茶番もいいとこ。あえていえば、たかが4億円の扱いをめぐって共謀だの何だのってやっているのだからこれは国際的にも笑いものになりかねない。4億なんてカネはちょっとした会社の社長経験者ならだれもが持っているよ。それを庶民なる目線で正義感ぶって捉えようとするからおかしなことになる。失脚した重慶市長の海外資産は1000億を超えているというからケタが違う。
C 野田首相というのはお粗末だね。無罪判決の感想をきかれて「司法の判断として受け止めます」だって。民主党の総裁として党員の無罪をせめて言葉の上だけでも「よかった」と祝福できないのかね。器が小さすぎるよ。
A 小沢は最大の政敵だからそうは言えないのだろう。自民も公明も共産党も政治的、道義的責任を問題にしている。これからも小沢騒動が続くかと思うと日本の政治は絶望的といわざるをえないよ。小沢を対極に置いて民主主流、自民、公明が共同戦線を張るという奇妙な構図が出来上がっているのも不可解だ。
C 政界は事実上、小沢に支配されているといってもいい。小沢の動向で政局が左右されていく。そんな隘路に自らを追い込んでいることに野田も自民も公明も気が付いていない。メディアは何かといえば小沢に批判的なコメントを流す。それを信じる庶民が同じようなセリフを口にする。だが賢明な大多数の国民はもういい加減にしてほしいと思っているよ。
B 消費増税の見通しが立たなくなった野田には事実上二つの選択肢しかない。総辞職して新たな党首に民主党政権を委ねるか、自公に頭を下げて消費増税関連法案を強行し解散・総選挙という取引をするか。野田にとってどちらも地獄の選択であることに変わりはない。国民の期待を裏切る増税政策に「不退転の決意」だの「政治生命をかける」と叫んだ政治家の末路だよ。
C 民主党の新たな党首たり得るのはだれか。岡田や枝野が名乗りを上げてきても話にならない。小沢にとっては年齢的に最後のチャンスになる。もし党内で激突すれば民主党は割れて一気に政界再編に突っ込んでいくかもしれない。解散・総選挙となっても民主党の激減は目に見えているから野田としては完全に追い詰められている。
A 野田が小沢無罪を祝福できなかったところに今回の裁判の意味が集約されている。歴史的な判決といわれるが、この問題は最初から最後まで政治的意図によって操られていた。その意図を砕くきっかけになったのが石川議員の録音だったのだから皮肉な結末だった。しかし暗いね。あまりに下らない裁判だった。日本はどこで間違ったのだろうとつくづく考えてしまうよ。
C 日本国民がアメリカ依存症という慢性病に陥っているように思う。その依存症から脱するには底をつかないとダメだと言われている。ギリシャのように経済的にもどん底に陥って初めて本当に目覚める。何事も独自路線を歩まなければならないという自立への意欲が起きてくるのではないか。
2012年4月末日 (了)
参考:日隅弁護士のブログ
A ついに「小沢無罪」の判決が下りた。関係者は長いこと待ちに待った一瞬だったが、当然の判決だったとはいえ、この空虚感は何だろうと自問自答しているところだ。
B 判決文を一読して、なんて下らないことに歳月を費やしていたんだろうと思う。政治資金収支報告書の記載に誤りがあったというだけで、それが「共謀共同正犯」かどうかというのだから、まさに聞いてあきれる。記載を訂正すればいいだけのこと。こんなことで1人の政治家から3年にもわたって活動の自由を奪った日本という国の狂気をどう考えればいいのだろう。
C いや狂気ではない。「小沢裁判」は政治謀略事件だったという明確な認識が必要だ。日本は実に怖い国になっているという印象が強烈だ。この不条理に耐えた小沢一郎という政治家に脱帽する。問題は検察とマスメディアを動員した巨大な政治力がどこから発信されたのかということだ。最高検にはあくまで小沢逮捕を主張した検事もいたというからただごとではない。
B 判決文は田代政弘検事の捜査報告書の捏造を指摘しているが、「仮に事実に反する捜査報告書のために検察審査員の判断に誤りが生じ、起訴議決に至ったとしても、そのことから検察審査会の起訴議決が無効とするのは法的根拠に欠ける」という。じゃあ、こんなでっち上げの捜査報告書なる内部資料をわざわざ検察審査員の素人集団に示した検察の犯罪性はどうなるのか。
A 検察はこれまでの調べで虚偽の捜査報告書を示して検察審査会を誘導しようという意図はなかったと結論付けている。こんなことがまかり通っていいのか。たまたま石川知裕衆院議員の録音記録があったから捜査報告書のでっち上げが判明したが、これがなかったら検察の思うつぼにはまっていた可能性が強い。検察のこの巨大犯罪こそこれから明らかにしていかなければならない。
C 今回、検察の捜査現場では「特捜と小沢との全面戦争だ」というセルフが飛んでいたというが、これは何だろう。小沢一郎はなぜ検察に狙われたのか。なぜマスメディアから攻撃の標的にされたのか。小沢“失脚”以後の菅直人政権、野田佳彦政権を見ればそのことは明らかだ。菅も野田も普天間基地問題にしろTPPにしろ消費増税にしろ原発問題にしろアメリカや財界、官僚の言うままに動いている。彼らと正反対の立場にいたのが小沢だ。
A 小沢は無罪にはなって検察側は敗北したとみられているが、三年半も政治活動を事実上停止させたことで、検察側の狙いは実現したのではないか。これまでの日本の政治を振り返ってみると、田中角栄元首相、社会党との合同調査団の自民党代表として訪朝した金丸信元自民党副総裁、ポスト橋本の有力首相候補だった加藤紘一など、アメリカとは距離を保って日本の独自路線を歩もうとした政治家は、ものの見事に検察特捜部が動いて起訴され、政治生命を絶たれている。地検特捜部は極端な言い方をするとCIAの手先ではないかと思えてくる。つまりアメリカにとって不利益な政策を進めようとする政治家を追い落とす使命を帯びているのではないか。今回の小沢一郎の問題も、そういう視点に立つと、納得がいく。小沢はアメリカにとっては首相にしたくなかったのだ。
B メディアは小沢攻撃に回った。「政治とカネ」という言葉を振りまいて小沢を攻撃するニュースキャスターやコメンテーターの表情はゆがんで見えたね。正義感の感じられない彼らの言動が日本をどれほど陰鬱にしていたかと思うと、メディアの罪は大きいよ。無罪判決を聞いて今度は「控訴」と騒いでいる。「控訴」の可能性はあると思うかね。
A 「控訴」はないだろう。これは推測だが、この地裁判決は最高裁ともおそらく綿密な協議の上の「無罪」だ。「有罪」とするにはどうしても最後のツメを欠いていた。判決文を読んでわかることはほとんど指定弁護側の主張を聞いているということ。だがこれを「有罪」とするにはどうしても無理があったということ、いわば司法の信頼にかかわる問題になっていたということだ思う。指定弁護側も了解済みではないか。
B はっきり言って罪に問うには「罪状」があまりに軽いよね。こんなチンケなことで政治家を悪の権化であるかのごとく描き出すのは茶番もいいとこ。あえていえば、たかが4億円の扱いをめぐって共謀だの何だのってやっているのだからこれは国際的にも笑いものになりかねない。4億なんてカネはちょっとした会社の社長経験者ならだれもが持っているよ。それを庶民なる目線で正義感ぶって捉えようとするからおかしなことになる。失脚した重慶市長の海外資産は1000億を超えているというからケタが違う。
C 野田首相というのはお粗末だね。無罪判決の感想をきかれて「司法の判断として受け止めます」だって。民主党の総裁として党員の無罪をせめて言葉の上だけでも「よかった」と祝福できないのかね。器が小さすぎるよ。
A 小沢は最大の政敵だからそうは言えないのだろう。自民も公明も共産党も政治的、道義的責任を問題にしている。これからも小沢騒動が続くかと思うと日本の政治は絶望的といわざるをえないよ。小沢を対極に置いて民主主流、自民、公明が共同戦線を張るという奇妙な構図が出来上がっているのも不可解だ。
C 政界は事実上、小沢に支配されているといってもいい。小沢の動向で政局が左右されていく。そんな隘路に自らを追い込んでいることに野田も自民も公明も気が付いていない。メディアは何かといえば小沢に批判的なコメントを流す。それを信じる庶民が同じようなセリフを口にする。だが賢明な大多数の国民はもういい加減にしてほしいと思っているよ。
B 消費増税の見通しが立たなくなった野田には事実上二つの選択肢しかない。総辞職して新たな党首に民主党政権を委ねるか、自公に頭を下げて消費増税関連法案を強行し解散・総選挙という取引をするか。野田にとってどちらも地獄の選択であることに変わりはない。国民の期待を裏切る増税政策に「不退転の決意」だの「政治生命をかける」と叫んだ政治家の末路だよ。
C 民主党の新たな党首たり得るのはだれか。岡田や枝野が名乗りを上げてきても話にならない。小沢にとっては年齢的に最後のチャンスになる。もし党内で激突すれば民主党は割れて一気に政界再編に突っ込んでいくかもしれない。解散・総選挙となっても民主党の激減は目に見えているから野田としては完全に追い詰められている。
A 野田が小沢無罪を祝福できなかったところに今回の裁判の意味が集約されている。歴史的な判決といわれるが、この問題は最初から最後まで政治的意図によって操られていた。その意図を砕くきっかけになったのが石川議員の録音だったのだから皮肉な結末だった。しかし暗いね。あまりに下らない裁判だった。日本はどこで間違ったのだろうとつくづく考えてしまうよ。
C 日本国民がアメリカ依存症という慢性病に陥っているように思う。その依存症から脱するには底をつかないとダメだと言われている。ギリシャのように経済的にもどん底に陥って初めて本当に目覚める。何事も独自路線を歩まなければならないという自立への意欲が起きてくるのではないか。
2012年4月末日 (了)
参考:日隅弁護士のブログ
◎民自裏取引で消費増税法成立、解散か
◎民自裏取引で消費増税法成立、解散か
橋下市長が職員の政治活動調査 「愉快犯」それとも「確信犯」?
A 野田内閣が消費増税など「社会保障と税の一体改革」の大綱を閣議決定した。
法案成立の見通しと野田政権の行方はどうなるだろうか。
C 野田は国会を延長して、8月ごろ一体改革法案を成立させた後、衆院解散に踏
み切るのではないか。一つのやり方は八百長のようなもので、民自で取り引きする。
消費税増税を提起したのはもともと自民党だ。従って自民党の側にも増税に積極的
な反対ができない事情があり、野田は秘密裏に自民と「法案を成立させる代わりに
解散する」と約束して、苦境を乗り切るだろうと思う。
D 野田にそんな芸当をやる余裕があるとは思えないね。「一体改革」というなら何
がどう一体なのか明確に提示するべきだろう。「一体」といいながら実は消費税アッ
プだけが狙いではないか。自民も消費税増、民主も消費税増というなら衆院解散総
選挙で何を争うのか。そもそも唐突に菅―野田政権が財務省に操られるままに消費
増税を持ち出したことに無理がある。
E 消費税引き上げの政府・民主党閣議決定の大綱は2015年4月に「10%」
にすることを中心にもともとの自民党案と「同じ」中身だ。野田政権が消費税引き
上げに向かって不退転の決意で進んでいるが、その目標は2006年に自民・公明
連立政権が作成した増税案そのもの(丸のみ)であり、案作成の中心にいた与謝野
元財務相らは菅直人の誘いに応じて政権交代をきっかけに菅内閣の閣僚入りして素
案づくりに加わった。それをバックアップしたのが藤井裕久はじめ元大蔵官僚らで、
その後ろに勝栄二郎財務事務次官はじめ財務官僚がいる。今回の大綱はこういう経
過を経てでき上がった。
B 民自衝突の可能性を考えてみよう。自公が野田内閣不信任案を提出する。その
場合、小沢がどう対応するかだが、不信任―解散のシナリオにすんなり乗れない事
情もある。次期総選挙で、小沢チルドレンをはじめ小沢グループが軒並み落選する
のは目に見えているからだ。従ってこのシナリオの可能性は極めて低い。いずれに
しても野田にとって国会を延長しても法案を成立させるのが政治目標であり、至上
命題だ。そうでないと野田が辞めざるを得ない局面が出てくるかもしれない。藤井、
前原、枝野が野田の背中を押している。自民党の力量がなくなっているのも救いだ。
D 民主党政権にとって今、解散―総選挙に打って出ることは、まさに自爆テロに
等しい選択だ。野田政権が空中分解することはだれの目にも明らかだ。さりとて自
公時代に逆戻りするわけでもない。冷静な国民はこれにもこりごりしていると思う。
多数派なき混迷の時代を迎えることになって、今のねじれ国会どころではない。世
論調査なるものが幅を利かせてポピュリズムそのものの政治がまかり通ることだろ
う。
▼野党生活限界の自民党
E 自民党の谷垣執行部は、大綱作成の経過を百も承知の上で、ねじれ国会を
利用して解散―総選挙をひたすら唱えている。つまり自民党は自分たちが財務官僚
の力を借りて作成した消費税率引き上げ法案に「反対」して解散を叫ぶという前代
未聞の戦術を敢えてとっているのだ。なぜか。政権の座に戻りたい一心からだ。自
民党の政治家の大半は政権政党であるがゆえに自民党にいるのであって、税制はじ
め基本政策はすべて財務省が作り上げたものだ。
野党の座に追われて既に2年半。既に野党生活の苦汁は限界に近づいている。野党
生活の長かった民主党中枢の面々と比べても、忍耐力は脆弱である。民主党が参院
で少数与党であるうちに、内閣不信任案の可決などの手法を駆使して、民主党を再
び野党の地位に追いやるためには、たとえ消費税引き上げが政権争いで多少遅れて
も構わない、というのが谷垣らの戦術だ。
A 野田政権、いや民主党そのものが、消費増税ぐらいやらないと政権交代した意
味がなくなるわけだ。普天間の埒が明きそうにない以上、ちょっとでも実現可能性
のある消費増税で踏ん張るのが、いわば残された最後のオプションではないか。民
主党内には衆院の多数を背景にした正面突破の声も聞かれる。
D 国民世論は消費増税に必ずしも反対ではないと言っていいだろう。問題はその
前に野田政権がやるべきことをやっていないという一点にある。官僚の天下りや公
共事業の見直し、議員歳費の削減など消費増税の提案前に民主党のマニフェストで
約束したことをなぜ実現しようと努力しないのか。そこが最大の問題点なのにあま
り問われていないのが不思議だ。国民を騙しとおそうという野田政権の姿勢を財政
危機論が守っているとしか思えない。余談ながら消費増税の駆け込み需要がもう始
まっているようだね。
E 自民が仮に総選挙に追い込んでもそう遠くない将来、取り返した政権の座を駆
使して消費税アップを実施せざるを得ない。ギリシャはじめ欧州の二の舞を踏むわ
けにはいかないからだ。結局、その総選挙は自民党が政権を取り戻すという「政局」
そのものの争いとなり、有権者がそれを見抜いて自民党に300近い議席を与える
かどうか、疑問である。自民は第1党となっても対民主で200対200の5分の
争いにとどまるだろう。
決定的なのは、首相官邸のトップの座を握った野田らのしぶとさである。野党が束
になって「退陣」を迫ってもなかなか思い通り解散しないのは、長年、政権の座に
居続けた自民党のベテランが熟知している。森喜朗らが大連立による消費税アップ
を口にするのは、過去の歴史をよく知っているからだ。たとえば中曽根ら元首相は
当時の万年野党の社会党がいくら解散を叫んでもその通りにせず「ダブル選挙なし」
でだまして虚を突いて解散し、1986年夏のダブル選挙で圧勝した。こういう悪
だくみは谷垣や石原らにはできない。
▼普天間固定化か無条件返還か
A 米軍普天間基地移設だが、宜野湾市長選挙で元来「県内移設派」の佐喜真氏が
元市長の伊波氏を破った。その前には普天間移設と在沖米海兵隊のグアム移転の切
離しで日米両政府が合意した。普天間固定化への不安が指摘される中で、何か具体
的な動きが出てくるだろうか。
C 沖縄米軍基地問題は、田中防衛相の失言などで混迷を深めているように見える
が、全体的な雰囲気としては徐々にではあるが、決着に向かっているのではないか。
端的な兆しは宜野湾市長選。佐喜真氏は仲井真知事と同じく、もともと普天間の「県
内移設派」だ。すぐに態度を変えることはないだろうが、紆余曲折を経て辺野古へ
の移設がはっきりするような気がする。
D 田中がきょう(2月18日)に沖縄に行った。仲井真は田中に「県外移設」を
あらためて伝え、田中は辺野古に固執したという。宜野湾市長選で民意が右に傾い
たという指摘があるが、そう簡単ではない。田中を乗せた車が知事との会談で県庁
に入る際も、市民の抗議の中、猛スピードで駆け抜けたという。20日には県が辺
野古の環境影響評価(アセスメント)の評価書に対する知事意見を沖縄防衛局に提
出した。この中で知事は辺野古周辺の「生活環境および自然環境の保全を図ること
は不可能」と結論付けた。知事意見で「県外移設」を明記したのは問題だが、辺野
古が不可能ということだけは明確になった。
A しかし、日米両政府は辺野古への移設が普天間返還の条件との立場を変えてい
ない。「県外移設」という条件闘争では普天間が固定化される恐れがある。米軍再編
見直しは米軍のアジア太平洋地域における米軍のプレゼンスと対中国戦略を練り直
す狙いが根底にある。
D 米側が海兵隊のグアム移転や嘉手納以南の基地返還問題を切り離して実施する
としたのはまさに新国防戦略に沿って動いているからであって、沖縄の負担軽減を
考慮しているわけではない。普天間返還は辺野古移設が条件と言ってもそれが不可
能なことはもはや明らか。こんな問題に縛られていては政権がどんなに代わっても
安定しない。米国は対中戦略を構築していく中で日本の政権の安定性をどう考えて
いるのだろうか。日米両政府は沖縄での基地機能増強がすでに限界にきていること
を普天間問題から学ぶべきだ。
C 中国問題について言えば、米カーネギー国際平和財団と中国の清華大学が北京
に作った合弁の研究所で、2年ほど前から所長を務めている、軍人出身の米国人か
ら最近話を聞く機会があった。それによると、中国は近年、米国を中心とする国際
動態の主な潮流に「反対」を唱えて妨害する技能を着実に高めている。国連安保理
事会のシリア制裁決議案にロシアとともに拒否権を発動したのも、その一例だ。だ
が、妨害した後に建設的な代替案を示すだけの能力はまだついていないし、当分の
間それは無理だろう。
中国は自分の気に入らない動きをけん制し、できれば頓挫させるという行動様式が
あちこちで見られるが、南シナ海や尖閣列島での中国艦船の出没がまさにそれだと
思う。もちろん国内世論対策ということもあるだろう。しかし中国は米国の向こう
を張って、もう一つの超大国になろうなどとは考えていない。米国との格差はいわ
ば天文学的であり、そのことは中国指導部が十分心得ている。
D それにしても、中国の軍事的な威嚇行為が近い将来全く消えてしまうとは考え
にくい。その圧迫をいちばん身近に感じるのは沖縄県民であり、米軍基地問題との
関連で、普天間をいつまでも「固定」状態にしておくことは不可能だろう。
E 米側にも財政赤字の増大を抑えるという緊急課題があり、在沖基地の縮小は必
然だ。海兵隊のグアム移転に伴う経費負担などまたしても日本が「ワリを食う」公
算が大きいが、普天間問題に風穴を開けるには仕方ないのかもしれない。
▼米国の評価高い習近平
A 中国の次期最高指導者の習近平副主席が訪米し、オバマ大統領との会談や滞米
中バイデン副大統領が付き添うなど首脳級の待遇を受けた。米中関係については米
の台湾への武器輸出、チベットなど人権問題、南シナ海などでの対立や緊張がある
ものの、バイデンが言うように両国関係は成熟に向かっているのではないだろうか。
もっともその背景には両国の大国意識がある。
C 習近平は元中国副首相の息子で、幼少時代は北京の中南海で育った。しかし文
化大革命のあおりを受けて父親は紅衛兵に追われる身となり、近平自身も農村部へ
「下放」され農作業に駆り出された。父親はやがて復権し鄧小平の側近となり、近
平も清華大学で化学工学を専攻した。
昨年、バイデン副大統領が訪中した際、習近平は「文化大革命期には自分の身内も
ひどい目に遭った」と率直に語ったが、同席していた中国人通訳は驚いて、この発
言を英語にしなかったとされる。こうした率直さを米側首脳たちは評価していると
いう。今回の訪米中、米国は習を最大限もてなしたが、同時に中国への注文も歯に
衣着せずに申し立てた。それに対し習も、負けずに中国の立場を強く主張して対抗
した。この種の単刀直入なやりとりは、日本政府当局者も見習うべきだ。
D 習の訪米は成功したとみていい。取りこぼしがなかったし、米側も最大限の配
慮をしたが、この人物がなみなみならないことは十分うかがえた。これから秋の党
大会へ向けてすさまじい権力抗争が予想されるが、それが中国の対外政策にどう反
映されるか。胡錦濤時代の中国とはどう違ってくるのか、見極めていく必要がある。
B 米国のアジア太平洋戦略は政治的、軍事的に中国を意識したものだが、中国を
孤立させる意図はない。対話と抑止の二面作戦でいくだろう。
▼正体現したハシズム
A 次期総選挙で橋下大阪市長率いる維新の会の動向が注目されている。石原
新党の可能性も併せて一連の動きをどう見るか。
B 橋下は総選挙に200人を立てると言っているが、そんない力があるとは思え
ない。小選挙区では民主、自民と戦うわけで、大阪以外では取れないだろう。
C いや、ふたを開けてみなければ分からない。橋下が国政のキャスチングボート
を握る危険性はある。誰も橋下ポピュリズムの流れは読めない。橋下を持ち上げる
だけで、その危険性に全く鈍感なマスコミにも責任がある。亀井新党に橋下が加わ
ったら大変だ。石原慎太郎も橋下の動向におびえている。維新の会の政策を支持し
ただけとか言い訳をしている。
D 橋下には本質的に政策も思想もない。ポピュリズムの典型であり、ファシズム
につながる危険性がある。ドイツ・ナチスの党名が「国家社会主義ドイツ労働者党」
であることを想起すれば、橋下が国民・市民の政治不信や不安を利用しただけにす
ぎないことがよく分かる。
A ハシズムの正体を現したのは大阪市の全職員を対象にした政治活動に関する調
査、いわば思想調査だ。その後、担当した特別顧問の弁護士が「凍結」を発表した
が、職員に政治活動、組合活動、投票行動などについて回答するよう強要しており、
信じられないような憲法違反だ。
D 共産、社民両党や労働団体、弁護士会などが一斉に反対の声を上げ、抗議行動
を展開した。憲法が保障した思想、信条の自由、政治活動の自由を侵し、労働組合
活動を妨害する不当労働行為あるのは明白だが、マスコミはほとんど取り上げなか
った。テレビ局に至っては完全無視。今のマスコミは劣化どころか痴呆状態だ。「驚
きを通り越して『?然』の一言」という社民党声明は、橋下思想調査を「世論受け
狙い」「愉快犯」だと指摘している。
A 橋下は選挙で勝ったという自信がある。それも有権者の政治不信に便乗しただ
けだが、自分が民意だと思っている。仮想の敵をつくり、それを攻撃することで自
分に注目を向けさせる橋下の常とう手段だ。「確信犯」と言ってよい。今回、標的に
なったのは労組と職員だった。景気低迷の中で公務員に対する庶民の漠然とした反
発、反感を利用した。
B その橋下が大阪の全選挙区で公明党と手を結んだ。維新の会が次期総選挙で独
自候補のいない選挙区で公明党候補を応援するという。理念もなにもないとはこの
ことだ。これじゃ亀井も乗れないだろう。最近何も言わなくなった。こんな行き当
たりばったりの人物を持ち上げた既成政治家たちはその不明を恥じるべきだよ。
▼日本は見捨てたものではない?
A 東日本大震災から1年を迎える。この間、日本の政治、経済、社会は混迷を極
めた。
C 前にも同じような趣旨で、英誌「エコノミスト」の日本礼賛記事を紹介したが、
米有力紙ニューヨーク・タイムズ(1月22日付)日曜版「ニュース解説」セクシ
ョンのトップ記事に「日本の終焉はでっち上げ」の見出しが付いている。「米国人は、
正しい道を歩まないと日本のようになる、といった警告を何度も何度も聞かされて
いる」が、「日本をそんな形で説明するのはでっち上げだ」という書き出しで、日本
を評価している。
この記事のことを国会、衆議院予算委員会で民主党の仙谷2月1日が紹介して、「わ
が国の対外イメージは一般に言われているよりよほどよい。もっと自信を持とう」
という趣旨の発言をした。その通りだと思う。日本人は必要以上に謙遜する、つま
り自虐趣味の傾向があるが、国際的にはもっと堂々と自分のよさ、強さを表現して
よいのだ。
A 先に来日したガイトナー米財務長官が震災復興の日本を褒めた文脈と同じか。
E ガイトナーの場合は、政治的な意図があるから褒め殺しだろう。ただ第1次オ
イルショックを最初に克服したのは日本だ。欧米は日本にたかってくるだろう。円
高も意図的だ。日本の国債残高は900兆円だが、欧州の金融機関が買っているギ
リシャ国債などと違って、国内で消化している。亭主が女房にカネを貸しているよ
うなものだ。離婚しなければたいしたことない。
D 日銀のインフレ目標1%設定で市場が少し動いているが、軒並み企業の赤字決
算が発表されている。それでも日本人はもっと自信を持つべきだというのはその通
りだと思うが、それを民主党の仙石あたりに言われたくないね。3・11以降、日本
の政治権力がどう機能したかと考えただけでも自虐的にならざるを得ないのでは…。
やはり政治は生活の基本条件だと思う。
橋下市長が職員の政治活動調査 「愉快犯」それとも「確信犯」?
A 野田内閣が消費増税など「社会保障と税の一体改革」の大綱を閣議決定した。
法案成立の見通しと野田政権の行方はどうなるだろうか。
C 野田は国会を延長して、8月ごろ一体改革法案を成立させた後、衆院解散に踏
み切るのではないか。一つのやり方は八百長のようなもので、民自で取り引きする。
消費税増税を提起したのはもともと自民党だ。従って自民党の側にも増税に積極的
な反対ができない事情があり、野田は秘密裏に自民と「法案を成立させる代わりに
解散する」と約束して、苦境を乗り切るだろうと思う。
D 野田にそんな芸当をやる余裕があるとは思えないね。「一体改革」というなら何
がどう一体なのか明確に提示するべきだろう。「一体」といいながら実は消費税アッ
プだけが狙いではないか。自民も消費税増、民主も消費税増というなら衆院解散総
選挙で何を争うのか。そもそも唐突に菅―野田政権が財務省に操られるままに消費
増税を持ち出したことに無理がある。
E 消費税引き上げの政府・民主党閣議決定の大綱は2015年4月に「10%」
にすることを中心にもともとの自民党案と「同じ」中身だ。野田政権が消費税引き
上げに向かって不退転の決意で進んでいるが、その目標は2006年に自民・公明
連立政権が作成した増税案そのもの(丸のみ)であり、案作成の中心にいた与謝野
元財務相らは菅直人の誘いに応じて政権交代をきっかけに菅内閣の閣僚入りして素
案づくりに加わった。それをバックアップしたのが藤井裕久はじめ元大蔵官僚らで、
その後ろに勝栄二郎財務事務次官はじめ財務官僚がいる。今回の大綱はこういう経
過を経てでき上がった。
B 民自衝突の可能性を考えてみよう。自公が野田内閣不信任案を提出する。その
場合、小沢がどう対応するかだが、不信任―解散のシナリオにすんなり乗れない事
情もある。次期総選挙で、小沢チルドレンをはじめ小沢グループが軒並み落選する
のは目に見えているからだ。従ってこのシナリオの可能性は極めて低い。いずれに
しても野田にとって国会を延長しても法案を成立させるのが政治目標であり、至上
命題だ。そうでないと野田が辞めざるを得ない局面が出てくるかもしれない。藤井、
前原、枝野が野田の背中を押している。自民党の力量がなくなっているのも救いだ。
D 民主党政権にとって今、解散―総選挙に打って出ることは、まさに自爆テロに
等しい選択だ。野田政権が空中分解することはだれの目にも明らかだ。さりとて自
公時代に逆戻りするわけでもない。冷静な国民はこれにもこりごりしていると思う。
多数派なき混迷の時代を迎えることになって、今のねじれ国会どころではない。世
論調査なるものが幅を利かせてポピュリズムそのものの政治がまかり通ることだろ
う。
▼野党生活限界の自民党
E 自民党の谷垣執行部は、大綱作成の経過を百も承知の上で、ねじれ国会を
利用して解散―総選挙をひたすら唱えている。つまり自民党は自分たちが財務官僚
の力を借りて作成した消費税率引き上げ法案に「反対」して解散を叫ぶという前代
未聞の戦術を敢えてとっているのだ。なぜか。政権の座に戻りたい一心からだ。自
民党の政治家の大半は政権政党であるがゆえに自民党にいるのであって、税制はじ
め基本政策はすべて財務省が作り上げたものだ。
野党の座に追われて既に2年半。既に野党生活の苦汁は限界に近づいている。野党
生活の長かった民主党中枢の面々と比べても、忍耐力は脆弱である。民主党が参院
で少数与党であるうちに、内閣不信任案の可決などの手法を駆使して、民主党を再
び野党の地位に追いやるためには、たとえ消費税引き上げが政権争いで多少遅れて
も構わない、というのが谷垣らの戦術だ。
A 野田政権、いや民主党そのものが、消費増税ぐらいやらないと政権交代した意
味がなくなるわけだ。普天間の埒が明きそうにない以上、ちょっとでも実現可能性
のある消費増税で踏ん張るのが、いわば残された最後のオプションではないか。民
主党内には衆院の多数を背景にした正面突破の声も聞かれる。
D 国民世論は消費増税に必ずしも反対ではないと言っていいだろう。問題はその
前に野田政権がやるべきことをやっていないという一点にある。官僚の天下りや公
共事業の見直し、議員歳費の削減など消費増税の提案前に民主党のマニフェストで
約束したことをなぜ実現しようと努力しないのか。そこが最大の問題点なのにあま
り問われていないのが不思議だ。国民を騙しとおそうという野田政権の姿勢を財政
危機論が守っているとしか思えない。余談ながら消費増税の駆け込み需要がもう始
まっているようだね。
E 自民が仮に総選挙に追い込んでもそう遠くない将来、取り返した政権の座を駆
使して消費税アップを実施せざるを得ない。ギリシャはじめ欧州の二の舞を踏むわ
けにはいかないからだ。結局、その総選挙は自民党が政権を取り戻すという「政局」
そのものの争いとなり、有権者がそれを見抜いて自民党に300近い議席を与える
かどうか、疑問である。自民は第1党となっても対民主で200対200の5分の
争いにとどまるだろう。
決定的なのは、首相官邸のトップの座を握った野田らのしぶとさである。野党が束
になって「退陣」を迫ってもなかなか思い通り解散しないのは、長年、政権の座に
居続けた自民党のベテランが熟知している。森喜朗らが大連立による消費税アップ
を口にするのは、過去の歴史をよく知っているからだ。たとえば中曽根ら元首相は
当時の万年野党の社会党がいくら解散を叫んでもその通りにせず「ダブル選挙なし」
でだまして虚を突いて解散し、1986年夏のダブル選挙で圧勝した。こういう悪
だくみは谷垣や石原らにはできない。
▼普天間固定化か無条件返還か
A 米軍普天間基地移設だが、宜野湾市長選挙で元来「県内移設派」の佐喜真氏が
元市長の伊波氏を破った。その前には普天間移設と在沖米海兵隊のグアム移転の切
離しで日米両政府が合意した。普天間固定化への不安が指摘される中で、何か具体
的な動きが出てくるだろうか。
C 沖縄米軍基地問題は、田中防衛相の失言などで混迷を深めているように見える
が、全体的な雰囲気としては徐々にではあるが、決着に向かっているのではないか。
端的な兆しは宜野湾市長選。佐喜真氏は仲井真知事と同じく、もともと普天間の「県
内移設派」だ。すぐに態度を変えることはないだろうが、紆余曲折を経て辺野古へ
の移設がはっきりするような気がする。
D 田中がきょう(2月18日)に沖縄に行った。仲井真は田中に「県外移設」を
あらためて伝え、田中は辺野古に固執したという。宜野湾市長選で民意が右に傾い
たという指摘があるが、そう簡単ではない。田中を乗せた車が知事との会談で県庁
に入る際も、市民の抗議の中、猛スピードで駆け抜けたという。20日には県が辺
野古の環境影響評価(アセスメント)の評価書に対する知事意見を沖縄防衛局に提
出した。この中で知事は辺野古周辺の「生活環境および自然環境の保全を図ること
は不可能」と結論付けた。知事意見で「県外移設」を明記したのは問題だが、辺野
古が不可能ということだけは明確になった。
A しかし、日米両政府は辺野古への移設が普天間返還の条件との立場を変えてい
ない。「県外移設」という条件闘争では普天間が固定化される恐れがある。米軍再編
見直しは米軍のアジア太平洋地域における米軍のプレゼンスと対中国戦略を練り直
す狙いが根底にある。
D 米側が海兵隊のグアム移転や嘉手納以南の基地返還問題を切り離して実施する
としたのはまさに新国防戦略に沿って動いているからであって、沖縄の負担軽減を
考慮しているわけではない。普天間返還は辺野古移設が条件と言ってもそれが不可
能なことはもはや明らか。こんな問題に縛られていては政権がどんなに代わっても
安定しない。米国は対中戦略を構築していく中で日本の政権の安定性をどう考えて
いるのだろうか。日米両政府は沖縄での基地機能増強がすでに限界にきていること
を普天間問題から学ぶべきだ。
C 中国問題について言えば、米カーネギー国際平和財団と中国の清華大学が北京
に作った合弁の研究所で、2年ほど前から所長を務めている、軍人出身の米国人か
ら最近話を聞く機会があった。それによると、中国は近年、米国を中心とする国際
動態の主な潮流に「反対」を唱えて妨害する技能を着実に高めている。国連安保理
事会のシリア制裁決議案にロシアとともに拒否権を発動したのも、その一例だ。だ
が、妨害した後に建設的な代替案を示すだけの能力はまだついていないし、当分の
間それは無理だろう。
中国は自分の気に入らない動きをけん制し、できれば頓挫させるという行動様式が
あちこちで見られるが、南シナ海や尖閣列島での中国艦船の出没がまさにそれだと
思う。もちろん国内世論対策ということもあるだろう。しかし中国は米国の向こう
を張って、もう一つの超大国になろうなどとは考えていない。米国との格差はいわ
ば天文学的であり、そのことは中国指導部が十分心得ている。
D それにしても、中国の軍事的な威嚇行為が近い将来全く消えてしまうとは考え
にくい。その圧迫をいちばん身近に感じるのは沖縄県民であり、米軍基地問題との
関連で、普天間をいつまでも「固定」状態にしておくことは不可能だろう。
E 米側にも財政赤字の増大を抑えるという緊急課題があり、在沖基地の縮小は必
然だ。海兵隊のグアム移転に伴う経費負担などまたしても日本が「ワリを食う」公
算が大きいが、普天間問題に風穴を開けるには仕方ないのかもしれない。
▼米国の評価高い習近平
A 中国の次期最高指導者の習近平副主席が訪米し、オバマ大統領との会談や滞米
中バイデン副大統領が付き添うなど首脳級の待遇を受けた。米中関係については米
の台湾への武器輸出、チベットなど人権問題、南シナ海などでの対立や緊張がある
ものの、バイデンが言うように両国関係は成熟に向かっているのではないだろうか。
もっともその背景には両国の大国意識がある。
C 習近平は元中国副首相の息子で、幼少時代は北京の中南海で育った。しかし文
化大革命のあおりを受けて父親は紅衛兵に追われる身となり、近平自身も農村部へ
「下放」され農作業に駆り出された。父親はやがて復権し鄧小平の側近となり、近
平も清華大学で化学工学を専攻した。
昨年、バイデン副大統領が訪中した際、習近平は「文化大革命期には自分の身内も
ひどい目に遭った」と率直に語ったが、同席していた中国人通訳は驚いて、この発
言を英語にしなかったとされる。こうした率直さを米側首脳たちは評価していると
いう。今回の訪米中、米国は習を最大限もてなしたが、同時に中国への注文も歯に
衣着せずに申し立てた。それに対し習も、負けずに中国の立場を強く主張して対抗
した。この種の単刀直入なやりとりは、日本政府当局者も見習うべきだ。
D 習の訪米は成功したとみていい。取りこぼしがなかったし、米側も最大限の配
慮をしたが、この人物がなみなみならないことは十分うかがえた。これから秋の党
大会へ向けてすさまじい権力抗争が予想されるが、それが中国の対外政策にどう反
映されるか。胡錦濤時代の中国とはどう違ってくるのか、見極めていく必要がある。
B 米国のアジア太平洋戦略は政治的、軍事的に中国を意識したものだが、中国を
孤立させる意図はない。対話と抑止の二面作戦でいくだろう。
▼正体現したハシズム
A 次期総選挙で橋下大阪市長率いる維新の会の動向が注目されている。石原
新党の可能性も併せて一連の動きをどう見るか。
B 橋下は総選挙に200人を立てると言っているが、そんない力があるとは思え
ない。小選挙区では民主、自民と戦うわけで、大阪以外では取れないだろう。
C いや、ふたを開けてみなければ分からない。橋下が国政のキャスチングボート
を握る危険性はある。誰も橋下ポピュリズムの流れは読めない。橋下を持ち上げる
だけで、その危険性に全く鈍感なマスコミにも責任がある。亀井新党に橋下が加わ
ったら大変だ。石原慎太郎も橋下の動向におびえている。維新の会の政策を支持し
ただけとか言い訳をしている。
D 橋下には本質的に政策も思想もない。ポピュリズムの典型であり、ファシズム
につながる危険性がある。ドイツ・ナチスの党名が「国家社会主義ドイツ労働者党」
であることを想起すれば、橋下が国民・市民の政治不信や不安を利用しただけにす
ぎないことがよく分かる。
A ハシズムの正体を現したのは大阪市の全職員を対象にした政治活動に関する調
査、いわば思想調査だ。その後、担当した特別顧問の弁護士が「凍結」を発表した
が、職員に政治活動、組合活動、投票行動などについて回答するよう強要しており、
信じられないような憲法違反だ。
D 共産、社民両党や労働団体、弁護士会などが一斉に反対の声を上げ、抗議行動
を展開した。憲法が保障した思想、信条の自由、政治活動の自由を侵し、労働組合
活動を妨害する不当労働行為あるのは明白だが、マスコミはほとんど取り上げなか
った。テレビ局に至っては完全無視。今のマスコミは劣化どころか痴呆状態だ。「驚
きを通り越して『?然』の一言」という社民党声明は、橋下思想調査を「世論受け
狙い」「愉快犯」だと指摘している。
A 橋下は選挙で勝ったという自信がある。それも有権者の政治不信に便乗しただ
けだが、自分が民意だと思っている。仮想の敵をつくり、それを攻撃することで自
分に注目を向けさせる橋下の常とう手段だ。「確信犯」と言ってよい。今回、標的に
なったのは労組と職員だった。景気低迷の中で公務員に対する庶民の漠然とした反
発、反感を利用した。
B その橋下が大阪の全選挙区で公明党と手を結んだ。維新の会が次期総選挙で独
自候補のいない選挙区で公明党候補を応援するという。理念もなにもないとはこの
ことだ。これじゃ亀井も乗れないだろう。最近何も言わなくなった。こんな行き当
たりばったりの人物を持ち上げた既成政治家たちはその不明を恥じるべきだよ。
▼日本は見捨てたものではない?
A 東日本大震災から1年を迎える。この間、日本の政治、経済、社会は混迷を極
めた。
C 前にも同じような趣旨で、英誌「エコノミスト」の日本礼賛記事を紹介したが、
米有力紙ニューヨーク・タイムズ(1月22日付)日曜版「ニュース解説」セクシ
ョンのトップ記事に「日本の終焉はでっち上げ」の見出しが付いている。「米国人は、
正しい道を歩まないと日本のようになる、といった警告を何度も何度も聞かされて
いる」が、「日本をそんな形で説明するのはでっち上げだ」という書き出しで、日本
を評価している。
この記事のことを国会、衆議院予算委員会で民主党の仙谷2月1日が紹介して、「わ
が国の対外イメージは一般に言われているよりよほどよい。もっと自信を持とう」
という趣旨の発言をした。その通りだと思う。日本人は必要以上に謙遜する、つま
り自虐趣味の傾向があるが、国際的にはもっと堂々と自分のよさ、強さを表現して
よいのだ。
A 先に来日したガイトナー米財務長官が震災復興の日本を褒めた文脈と同じか。
E ガイトナーの場合は、政治的な意図があるから褒め殺しだろう。ただ第1次オ
イルショックを最初に克服したのは日本だ。欧米は日本にたかってくるだろう。円
高も意図的だ。日本の国債残高は900兆円だが、欧州の金融機関が買っているギ
リシャ国債などと違って、国内で消化している。亭主が女房にカネを貸しているよ
うなものだ。離婚しなければたいしたことない。
D 日銀のインフレ目標1%設定で市場が少し動いているが、軒並み企業の赤字決
算が発表されている。それでも日本人はもっと自信を持つべきだというのはその通
りだと思うが、それを民主党の仙石あたりに言われたくないね。3・11以降、日本
の政治権力がどう機能したかと考えただけでも自虐的にならざるを得ないのでは…。
やはり政治は生活の基本条件だと思う。
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